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2024年4月28日日曜日

2024年4月 今月の樹木 アベマキ 

 菅さん提供


アベマキ(阿部槇 落葉高木 ブナ科)                                 

                                      花期45月 果期910 

 里山の樹木といえばクヌギやコナラが代表格ですが、数は少ないもののアベマキも時折見かけます。 ある程度大きく成長したアベマキの樹皮の表面は、縦に幾筋ものシワが不規則に走るとともに、山になった部分がもこもこと盛り上がってでこぼこになるため一目でアベマキと判断がつきます。この盛り上がりはコルク層の発達によるもので、クヌギなどに比べるとはるかに厚く1cmほどにもなり、指で強く推すと弾力が感じられます。葉はクヌギに似通った形状ですが、葉裏が白っぽいことで区別が付き、この違いは落ち葉でも同様です。 

 樹木の名前は樹皮の見た目から名づけられたものがいくつかありますが、アベマキもその一つで、表面のでこぼこがあばたに見えるところからアバタマキからアベマキに転化したと言われています。 

 マキと言われる樹木はコウヤマキ、イヌマキなどがあり、いずれも針葉樹でアベマキとは関係はなさそうです。マキの字は槙以外に真木を充てることもあり、良材となる木を意味するとか。アベマキの材は硬いうえに重く、反りやねじれが出ることで良材とは言えないそうです。炭や椎茸原木の用途はあるものの、炭にすると激しく爆ぜ、椎茸は樹皮が厚いことから発生量が少ないそうです。薪にすれば火力が強く火持ちも良いことからアベマキのマキは薪を意味すると考えるのが自然なように思えます。 

 分厚い樹皮は乾燥に対する適応と考えられていて、瀬戸内地方に分布が多いという情報もあります。コルクを採るコルクガシも地中海沿岸に分布域が多いということもそれを裏付けているようです。コルクガシほどの厚みがないことから樹皮を粉砕して糊で成形する必要はあったようですが、戦時中と戦後しばらくはアベマキのコルクも利用されていました。一升瓶の王冠の内側のパッキンに使われていたのを思い出します。 

 余談ですが、スペインで飼育される最高級のイベリコ豚はコルクガシなどのドングリを食べさせるとか。日本でもアベマキのドングリをを豚に食べさせればイベリコ豚並みの高級豚になるのかも?












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