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今月の樹木 2026年 7月 

菅さん提供

ハリギリ(針桐 落葉高木 ウコギ科) 

                                             花期78月 果期10月                                      

 ハリギリはキリと名がつくもののキリの仲間ではなくウコギ科の樹木です。葉は掌状に59裂し、大きなカエデのような形をしていて、長さで20~30cm幅は15~25cmもあり、その大きさからハリギリは別名でテングウチワ(天狗団扇)とも呼ばれますが、ハリギリの名は若い枝に刺があることと、葉が大きいのでキリの葉にみたててその名がついたと言われます。

 ハリギリが材になったものは家具や建材の業界ではハリギリとは呼ばずに栓(セン)の名で流通されているとのこと。また、別名にニセケヤキというのもあり、こちらは木目が本物のケヤキに似ていることから名付けられた言われています。和太鼓の胴に使われる木材は、最上級はケヤキとされていますがハリギリの和太鼓もあるようです。適度な軽さと加工のしやすさ、クセのない音抜けの良さからかつては日本製エレキギターのボディによく採用されたことがあったようです。

 ウコギ科と言えば山菜の王様とも言われるタラの芽が有名ですが、意外と知られていないのがこのハリギリ。タラの芽よりもアクが強く若干の苦味があるようですが、山菜はアクが命。アク抜きをする必要なものもありますが、抜きすぎると気の抜けたビールのようになってしまいます。アクが旨いと感じるようになればあなたも山菜通の一人です。

 ウコギ科のタラノキとコシアブラにこのハリギリの芽は天ぷらが最高で、この三つをウコギ科天ぷら三兄弟と呼ぶ人もいるようです。

 タラの芽はスーパーではよく目にし、コシアブラも最近人気が出てきているようですが、ハリギリは一部通販サイトで見る程度で一般には流通していません。ハリギリの芽を手に入れたいと思ってもかなりの高木になるので思うようにはならず、未だに賞味したことはありません。

 最後に、山菜のてんぷらの秘訣は衣を薄く、高めの温度の油で短時間でカラッと揚げるのが美味しく作るコツのようです。




2026年 6月 今月の樹木 

 菅さん提供


クスノキ(楠・樟 常緑高木 クスノキ科)                                        花期              

花期45月 果期1012月                                      

 5月初旬の立夏のころのこと、山道を歩いていると足下に季節外れの紅葉した落葉が一面を覆っている光景に出くわしました。見上げると新しい葉をつけたクスノキが枝を広げていました。

 クスノキは春に新しい葉が出ると同時に前年に出た古い葉が落葉するため、樹木全体がみずみずしく美しい新緑に覆われたようになります。この時期のクスノキの若葉を象徴する初夏の季語として扱われるのが楠若葉(くすわかば・樟若葉)です。同様に落葉は楠落葉(樟落葉)といわれます。ちなみにクスノキを含めて晩春に古い葉を落とす。椎の木や樫の木などの常緑樹の落葉を称して春落葉が季語として扱われます。

 6月に入ると楠若葉も緑の濃さを増していかにも常緑樹という体をなしてきます。葉は基部から3本の太い葉脈が伸びる三主脈、あるいは三行脈とも呼ばれる特徴的な形状をしています。

 花は直径5mmほどの黄緑色で、一つひとつの花は目立ちませんがまとまってつくため花の時期にはそれと分かります。果実は晩秋に黒柴色に熟し多くの小鳥たちの好物となります。

 生長すると20m以上にもなるクスノキは神社でよく見かけることがあります。日本には天高くそびえ立つ木に神が降臨するという思想があることと、清涼感のある強い香りは人をリラックスさせる効果があり、厄除けの霊木として御神木にされてきたものと思われます。

 香りの成分は樟脳として古くから防虫剤として利用されてきた歴史があります。果実から採れるように思われますが実際は材を細かく砕き、それを蒸し器で蒸して発生する蒸気を冷やして樟脳成分を取り出します。

 柔軟剤や香水、合成洗剤などに含まれる合成香料が原因で、頭痛や吐き気、不快感などの健康被害が「香害」として近年問題になっていますが、樟脳の成分は衣類を風や天日にさらすことで比較的速やかに臭いが消える性質があるとのことで、昨今樟脳の良さが見直されているようです。

 三主脈の分かれ目にダニ室と呼ばれる1mmほどのふくらみがあればそこにはある種のダニが潜んでいます。葉にも樟脳の成分は含まれていますが中のダニには殺虫効果はないようです。このダニにとっては樟脳成分は蓼食う虫も好き好きと言うことになるのでしょうか。なお、葉をちぎって香りを楽しむことがあっても、中のダニは人には害がありませんので念のため。











今月の樹木 2026年5月

 菅さん提供


クロバイ(黒灰 常緑高木 ハイノキ科)                                                         

                                              花期45月 果期1011月                                      

 クロバイは静岡県より以西の比較的温暖な山地に自生するハイノキの仲間です。とは言ってもハイノキを目にしたことはなく、クロバイも山歩きを始めたころは見たことはありませんでした。

 ハイノキ科で代表的な樹木といえば、北海道から九州まで広く分布する 美しい青い実をつけるサワフタギがありますが、地域的な偏りがあると思われ、こちらも自然の中では未だ出会えていません。一番なじみのあるハイノキ科といえば藍黒色の実をつけるタンナサワフタギになります。

 クロバイを目にしたのは山登りの途中で、遠くの山の一角に樹冠全体を覆い隠すように白い花をいっぱいにつけた樹木が見えたのが最初でした。そのときは遠すぎて何の花は分からず、日を改めて見に行ったところ、目の前にこれまで目にしたこともない黒褐色の樹皮の樹木が現れました。図鑑で見た白っぽい皮目も多数あり、一目でクロバイと判断できました。 珍しい樹木に出会えたと内心喜んでいましたが、何のことはない、後年近場の自然公園の中に何本もあることが分かり、半分がっかり、半分うれしく思ったものでした。

 クロバイ(黒灰)の名は、この黒みを帯びた樹皮によるもので、灰については、枝葉を焼いた灰から採った灰汁を染め物をする際に染色を定着させる媒染剤に用いたことに由来するようです。

 花は直径が8㎜ほどで多数の長い雄しべが飛び出すように咲く特徴はサワフタギやタンナサワフタギと同様ですが、サワフタギやタンナサワフタギが小さな花を円錐状につけるのとは異なり、クロバイでは2030輪が一つの花軸にウワミズザクラを思わせるような形につきます。

 クロバイは花や実を多くつけた翌年は開花を休む隔年性の性質があるようです。藍黒色の実を写真に収めたいと思いながらも、未だに結実した年にめぐり合わせておりません。









 

今月の樹木 2026年 4月

 菅さん提供


シロバナウンゼンツツジ(白花雲仙躑躅 落葉低木 ツツジ科)                                          

                                             花期4月 果期911月                                      

 桜の季節が終わると街中の公園などいたるところで待ってましたとばかりにつつじが咲き誇ります。よく目にするのはヒラドツツジと呼ばれるもので多くの品種があり、花の色も赤、ピンク、紫、白と多彩です。花の直径も8cmを超える大輪系で見ごたえがあります。

 この時期山に入るとコバノミツバツツジやヤマツツジが出迎えてくれます。これらの花もヒラドツツジには及ばずとも5㎝ほどにはなります。そのようなつつじのイメージを覆す小型のつつじもいくつかあるようですがシロバナウンゼンツツジもその一つで、花の直径は1.5cm位で指先でつまめるほどしかありません。花が小さければ葉も小さく、長さで1㎝内外、幅は36ミリ程度とツゲやイヌツゲの葉よりも小さく感じられます。

 シロバナウンゼンツツジは淡紅紫色や白の小さな花を咲かせるウンゼンツツジの変種とされ、上部の花びらの内側にチャームポイントのように紅色の斑点が見られます。この斑点は蜜標と呼ばれるもので、蜂や蝶などが蜜を求めて花にやってきたときに蜜のありかへ誘導する役割があるとされ、つつじ類意外にもすみれなどにも見られます。

 シロバナウンゼンツツジは自生地が限られていて、本州の近畿西部から中国地方、四国北部の瀬戸内海沿岸地域を中心に分布するとされ、その中でも川西市の「虫生(むしゅう)の森」は貴重な群生地で市指定の天然記念物となっています。ここでは毎年4月下旬頃に見頃を迎え、期間限定で一般公開されます。雑木林の林床に樹冠いっぱいに可愛い花を咲かせた姿は小さくとも見ごたえ十分です。シロバナと名づけられてはいますが、中に淡いピンクの花をつけた個体も見られます。花をよく観察すると雌しべの先端が赤くなっているものがあり、これもチャームポイントの一つですね。





今月の樹木 2026年 2月

 提供 菅さん


ヤマハゼ(山櫨 落葉小高木 雌雄異株 ウルシ科)                                                     

                                        花期56月 果期1011月                                      

 樹木の種類を見きわめる同定は里山を維持管理する上では大切な作業の一つです。同定には葉の形状で識別するのがもっとも一般的で確実な方法で、常緑樹であれば季節を問わずいつでも可能ですが、落葉樹を葉のない冬場に同定するのはなかなか困難です。落ち葉を探すのも一つの方法ですが、樹木が込み合っている所ではどれがどれやら判断に迷います。ウリハダカエデやアベマキなどは特徴的な樹皮で判断できますが、そのような顕著な樹皮を持つ樹木は限られています。そこで役立つのが冬芽と落葉後に枝に残る葉の跡の葉痕です。

 冬の落葉樹は冬芽と葉痕がセットで観察できます。それぞれ樹種によって特徴が異なり、冬芽では寒さや乾燥から内部の未熟な葉や花を守る鱗状の芽鱗で覆われたものが多く、クヌギやコナラが代表例です。葉痕は丸型やハート型、三日月型などの形の違いのほか、その中の斑点状の維管束痕の数や並び方、冬芽との位置関係で樹種を見分けます。オニグルミの葉痕は羊や猿の顔に見え、ネジキの葉痕は冬芽と合わせて童話の小人のように見えます。ヤマハゼの冬芽は芽鱗を持たない裸芽と言われるもので、幼い葉がむき出しになっています。その代わり褐色の長毛が密生していて、寒さや乾燥から芽を守る役割を果たしています。

 ウルシ科なのでうかつには触れない樹木ですが、昔から生活の中に取り入られてきました。樹液は漆器に使われるウルシの樹液のような使いかたはされないようですが、かつてはハゼノキが広く普及するまでは果実から採れる木蝋が和ろうそくの原料だったようです。鮮やかな黄色の心材は染色に用いられ、黄櫨染(こうろぜん)と呼ばれる赤みのある褐色に染められた衣装は位の高い人しか着用が許されない禁色(きんじき)とされ、今でも天皇陛下が重要な儀式のときには着用されます。

 秋にはヤマウルシと同様に他に先駆けて紅葉し始め、秋の山歩きの楽しみの一つです。ところでこの冬芽の写真、上下逆にして見ると、まつ毛の長いラクダの顔に見えてきませんか?

(冬芽)

       

果実と紅葉)


(花)












今月の樹木(2026年1月)

 菅さん提供


モチノキ(黐の木 落葉高木 雌雄異株 モチノキ科) 

                                          花期45月 果期1112月                                      

 冬の里山は春や夏、それに秋といった木々の緑や紅葉の中を歩くのとは違う楽しさがあります。普段はあまり気にすることのない木の肌の違いに気づいたり、冬芽を観察できるのはこの時期ならではのものです。冬枯れの里山で花を期待するのは難しい時期ですが、それでも何かの花が咲いていないかと注意深く歩いていると、気の早いウグイスカグラが一二輪ピンクの花を咲かせていたり、つぼ型の純白の花が数輪開いたアセビと出会うことがあり、そんなときはなんとなく得をした気分になります。

 そんな目で歩いていて出会えるのが高い梢の先に赤い実をつけたモチノキです。光沢のある葉と赤い実のコントラストが美しいモチノキ科を代表する樹木です。

 モチノキの実は、びっしりと実をつける近縁のクロガネモチに比べると実の数が少なくまばらな感じで、10月から12月にかけて赤く熟します。直径約1cmほどの丸い実はいかにも美味しそうに見えますが苦くて食べられないそうです。食料の乏しい冬場の鳥たちとっては貴重な食料に思えますが、意外と冬遅くまで残っていることが多いようです。

 モチノキの名の由来は樹皮から鳥黐(とりもち)が採れることから。樹皮をつぶして水洗いするとゴム状の柔らかい粘着性の強い成分が残ります。これを鳥が止まりそうな木に塗り、絡まった鳥を捕まえる猟などに使われてきました。鳥黐(とりもち)はモチノキのほかクロガネモチやソヨゴなどからも作れます。子供のころ遊びで作った鳥黐は、はて何の木だったか。

 モチノキはモッコク、モクセイとともに庭木の三大名木の一つとされていて縁起のよい木といわれています。モチを持ちに掛けてお金や子孫などを持つことができるというわけです。

 花は目立たない黄緑色で花弁は4枚、直径は5mmほど。小さくて高い位置に付くので未だ撮影の機会がありません。なお、雌雄異株のため実をつけるのは雌株に限られます。





今月の樹木 2025年12月  

 

菅さん提供


ブナ(橅 落葉高木 ブナ科)

花期45月 果期910月                                      

 広葉樹の中で一風変わった葉をつける樹木と言えばブナもその一つでしょうか。樹木の同定には葉がもっとも重要な手掛かりになります。葉の形状や付き方、鋸歯の有無などで見極めることになりますが、鋸歯のある葉では鋸歯の先端は尖った形が普通です。ところがブナでは先端が凹んでいるのです。この特徴がブナを他の樹木と見分けるための重要なポイントになります。 黄金色に輝く黄葉も一見の価値があります。

 雄大で美しい立ち姿から森の女王ともいわれるブナですが、材に水分を多く含み乾燥に時間がかかることで建築用材としては不向きなため利用価値がなく、木では無いとして漢字では木へんに無の字を充てて「橅」としたというのが通説です。日本各地にあったブナ林は、戦後の復興期の木材需要の拡大に伴ってスギやヒノキの植林のために多くが伐採されたといいます。

 そんなブナですが、近年は自然保護活動や生態系維持にかかわる重要樹な木として見直されてきています。青森県の南西部から秋田県の北西部にかけて広がる世界自然遺産に登録された白神山地のブナの原生林は代表的な存在です。

 森林は「緑のダム」と言われます。樹下の柔らかな土壌が雨水を吸収して保水し、その地下水を時間をかけてゆっくりと川に流す機能をダムに例えた言葉で、洪水や土砂の流出を防ぐとともに水源涵養の重要な働きがあり、ブナ林の土壌は特に保水力が高いと言われています。

 降った雨が枝葉を伝って幹に集まる流れが樹幹流です。ブナは樹幹流がよくできる枝葉をしているそうで、ある映像で見た流れは小さなせせらぎを思わせるほどの量でした。樹幹流には樹木が出すミネラルや有機物が含まれ生態系を豊かにしているとのこと。

 実の形がソバに似ていて栗の味がすることからソバグリとも言われるブナのどんぐりはクマの好物だそうですが、豊凶の年がはっきりしていて、不作の年にはクマが餌を求めて人里に降りてくることが知られています。地球温暖化は寒冷地を好むブナの結実に関係していて、人里へのクマの出没とも無縁ではなさそうです。

 森の女王も大木になると威風堂々とした樹形になり、その姿からはは森の大王と呼ぶのが相応しいように感じられます。

 ブナの大木ですが今は葉を落としていますが、雨が降ると葉で雨を集め幹に雨水を集め根元に水を導き水を貯えます。


 ブナの紅葉は、カエデのような真っ赤な葉とはまた違った味わいがあります。鮮やかで眩しいほどのオレンジ色に輝き、自然の美しさをしみじみと感じさせてくれます。
 葉を拡大しました。葉脈(主脈から側脈に分かれて葉の縁に当たりますがその場所が凹の部分に当たっています。)

 ブナの実は通常の団栗と形が違い、そばの実そっくりです。










 

今月の樹木 2025年11月

 菅さん提供

ツタウルシ(蔦漆 つる性木本 ウルシ科)                                                      

                              花期花期56月 果期1011月                                      

 一抱えはあろうかというアカマツの大木に這い上がり、腕の太さほどもある枝を三方に張り出し、真っ赤な葉をつけたツル植物を見たのがツタウルシとの初めての出会いでした。

 この頃は樹木に興味を持ち始めた時期で、鮮やかな葉をつけるこのつる植物が何であるか判断がつかず、落ちていた葉を一枚拾い同行の人に問うてツタウルシと知りました。

 今にして思えばよくもかぶれなかっものです。というのも、ツタウルシはウルシ科の中でも最強のかぶれ成分を含み、敏感肌の人は近くを通っただけでもかぶれると言われるほどの強毒の持ち主です。幸いにも鈍感肌であったことと、落葉期で活動が止まっていたことでかぶれずにすんだものと思います。

 ヤマウルシやヤマハゼなどのウルシ科の樹木は他の樹木に先駆けて美しい紅葉を見せてくれます。ツタウルシも例外ではありませんが、例外と言えるのはツル性であることと葉の形状です。他のウルシ科では葉軸に複数の小葉が集まって一枚の大きな葉を形成し、先端にも1枚の小葉があることから奇数羽状複葉と言われる形ですが、ツタウルシは唯一、小葉が3枚1セットになった3出複葉であることが特徴です。

 ツタウルシは北海道から九州の日本各地で見られ、中国大陸などでも見られるようです。北米にはアメリカツタウルシという種が広く分布していて、これが見られるところでは3枚の葉には触れるなという警告句が知られているそうです。

 ツタウルシによく似たものにツタ(ナツヅタ)とイワガラミがありますが、すべての葉が3出複葉であればツタウルシと思って間違いありません。

 近寄りがたい存在のツタウルシですが意外にも花言葉は「頭脳明晰」「賢明」だとか。秋の山歩きでツタウルシに出会ったときには紅葉を愛でながら花言葉の意味を考えてみるのもいいかもしれません。


ツタウルシの紅葉


ツタウルシの実


ツタウルシの花









今月の樹木 2025年10月

 

菅さん提供


ヤマガシュウ(山何首烏 つる性木本 雌雄異株 サルトリイバラ科)                 

                                                                                      56月 果期1011                           

 石灰岩や地下深部のマントル由来の蛇紋岩地帯に多いと言われるヤマガシュウはどこでも目にできるというわけではないため、目にする機会はそう多くありません。つるの先に黒っぽい果実をつけたヤマガシュウを始めて見た人なら、ヤマブドウかはたまたアオツヅラフジかと迷うことになるかもしれません。でも、茎のトゲを見ればそのいずれでもないことは一目瞭然です。葉はサルトリイバラに似ていますが、トゲがサルトリイバラのように鉤状ではなく真っすぐに伸びていることで区別できます。さらに、サルトリイバラの果実は熟してくると赤くなりヤマガシュウのような黒っぽい色にはなりません。

 シャキシャキした食感で山のアスパラガスとも言われるシオデ、あるいはタチシオデをご存じの山菜に興味を持っている人ならヤマガシュウをこれらと見間違えることはありそうですが、こちらもトゲの有り無しで区別できます。

 ここで取り上げたヤマガシュウについて、そもそも山にあるカシュウとは何ぞやと思い至って調べたところ、中国原産のタデ科のツルドクダミの塊根を何首烏(かしゅう)と言い、これを服用した男性が長生きをして、百歳を過ぎても髪が烏のように黒かったという中国の故事に因んでいて、滋養強壮や不老長寿の妙薬とされていたとのこと。現代ではて育毛効果も確認されているようです。

 花はサルトリイバラに似た薄緑色で、その後の果実は直径が約6mmほど。木の実や草の実を見るとついつい味わってみたくなる悪い癖があり、この果実を目にしたときにも口に入れてみました。味は青臭い感じで食べるには値しませんでしたが、中の固い種子が鮮やかな赤色をしていて意外に感じたことがありました。なお、ヤマガシュウの果実には育毛効果や不老長寿の効果があると言う話は耳にしたことがありませんので食べないに越したことはありません。
















今月の樹木 2025年9月

 

菅さん提供


            トチノキ(栃の木 ムクロジ科 

                                           花期56月 果期910月                                      

 9月に入ったとはいってもまだまだ日差しが厳しい中、緑の間を縫うように流れる沢筋の山道を歩くのは心地よいものです。そのような所で見られる樹木にトチノキがあります。

 初夏に咲く花の姿は巫女が舞うときに鳴らす巫女鈴(神楽鈴とも)の形に似ていると形容されることがありますが、花よりも丸い実の方がより似ているように思います。ただ、円錐形に咲く花の多くは雄花で、実になる花は円錐下部に少しあるだけのようです。そのため結実しても巫女鈴のようなきれいな円錐形にはなりません。

 縄文時代にクリが栽培されていたことは遺跡の発掘で明らかになっていますが、トチノキの実も当時から食料とされていたそうです。現代でも一部の地方では正月には欠かせない伝統食として栃餅作りが行われているようです。

 果実の大きさは45cmほどで中の種子は34cmほど。種子の見た目はどんぐりのようですが、トチノキはブナ科と違ってムクロジ科になるため正確にはどんぐりとは言えないそうです。 葉の形はホオノキに似ていて、手のひらを広げたような掌状複葉と言われる形で、1枚の大きさは大きいものでは30cm近くになります。

 ブナ科のどんぐりのクリは渋皮を除けば美味しく食べられます。スダジイやツブラジイ、マテバシイの椎の木類は鬼皮を除けばそのまま炒って食べられますが、栃の実は渋みやアクが強いため1週間ほど流水にさらしたり、天日干しや木灰を加えた熱湯で煮たりとかなりの手間暇が必要とのこと。そこまでして食べるのは美味しいからと言う訳ではなく、昔は穀物が入手しにくい山間部などの土地柄でも入手しやすかったためと思われます。乾燥すれば十年は持つということから、飢饉に備える貴重な食糧としての性格もあったようです。

 パリにあるシャンゼリゼ通りはマロニエの花で有名ですが、マロニエは日本名ではセイヨウトチノキ。日本のトチノキの花もマロニエに劣らずきれいです。初夏の山歩きの際に沢沿いのルートではマークしておきましょう。








今月の樹木 2025年8月

 菅さん提供


ユクノキ(落葉高木 マメ科 

花期68月 果期89月                                         

 夏なのに木の枝先が雪をかぶったようになることから雪の木と言われていたものが、いつのころからかユクノキになったと言うのがこの樹木です。確かに白い花が咲く時期に遠目から見るとそのような印象を受けます。

 マメ科の樹木の多くは蝶が羽を広げたような形の蝶形花を咲かせますが、ユクノキも白い蝶形花を咲かせます。身近に目にする蝶形花には藤の花がありますが、一つの花の長さは22.5cmほどと藤の花よりも大きく、それが枝先の長さ1530cmほどもある花軸に円錐状に多くの花を付けるため、遠くからでは雪をかぶったように見えるわけです。葉の形も藤の葉のように、葉の軸に小葉が対になって付き、軸の先端に小葉が一枚付く奇数羽状複葉と言われる形です。

 この樹木に始めて出会ったときには花がなく、葉の形状がよく似たイヌエンジュかとも思いましたが少し違和感があり何の樹木か判断が付きかねました。翌年には運よく花を見ることができ、ユクノキと判断できました。さらにその翌年にもう一度花を見ようと同じ所に出かけましたが花を見ることができませんでした。その後も何度か花の時期に出かけてはみたものの、なかなか花には出会えませんでした。後に分かったことは、ユクノキは数年おきにしか咲かないということ。開花周期には規則性はないようで、概ね24年おきの開花が一般的なようですが、同じ個体でも変動があるようです。

 夏の終わりころになると豆果が熟し始めます。藤の豆果は熟すと捻じれて裂開し種を弾き飛ばして繫殖域を広げますが、ユクノキは熟しても裂開しないそうです。繁殖はリスやネズミなどが行う貯食行動に頼っているのでしょうか。

 ユクノキは別名ではミヤマフジキ(深山藤木)。別名ではフジキによく似ているがより深い山に生育すると言うことになりますが、実際には里山のような所で見ることができます。ただ、どこでも見られると言うことはなく、全国的にも稀にしか見られない稀少種となっているようで、開花頻度との関係があるのかもしれません。













今月の樹木 2025年7月 

 菅さん提供


マツグミ(松茱萸 常緑小低木 オオバヤドリギ科 

                                 花期78月  果期56月                                      

 ヤドリギと言えば、葉を落とした冬枯れのサクラやケヤキの枝にぽつんと、あるいはぽつんぽつんと緑の丸い塊を見ることがあります。冬の風物詩ともいえるヤドリギは季語にもなっていて俳句や和歌に詠まれてきました。そのように慣れ親しまれてきたヤドリギの仲間でありながら、人目に触れず奇麗な花を咲かせるものにマツグミがあります。

 ヤドリギは広い意味ではヤドリギ類 の全てを指して言う場合と、狭義には前述のように落葉広葉樹のみを宿主とする一種を指すこともあります。

 マツグミが人目に付きにくいのは落葉樹ではなく、アカマツやクロマツ、モミ、ツガなどの常緑針葉樹に寄生して緑の葉の間に紛れ込んでしまうことにあります。樹形がヤドリギのように丸くならないことと合わせて、いずれの樹木も高木になるため人目に付かないのはなおさらです。ちなみに落葉樹に付くヤドリギが丸くなるのは風の影響を最小限にするためだそうです。

 マツグミの葉の特徴は革質の細長い形でヤドリギの葉に似ていますが、花の形状は全く異なります。ヤドリギの花が1cmにも満たない黄緑色で目立たないのに対してマツグミの花は1.5cmほどの筒状で赤く、その独特の形状は、長いくちばしをもったハチドリがよく訪れる南国の花を思わせます。

 マツグミの名はマツに寄生し、果実がグミ科のグミに似ているところからついたと言われています。果実は長さ約5mmほど、楕円状の球形で花の後の翌年56月に赤く熟します。他のヤドリギの果実と同様に中の種子の周りは粘液質で、鳥に食べられた果実の種子は、粘液により粘っこくなって糸を引くように鳥のお尻から出る糞とともにマツなどの枝に付着することで分布を広げることが知られています。

 昔は果実のネバネバを子供がガムの代わりに噛んで楽しんだと言う話はあちこちにあるようですが、間違って飲み込んでしまったら、後々お尻が大変なことになったのではと変な想像をしてしまいます。














今月の樹木 2025年6月 

 提供 菅さん


ハンショウヅル(半鐘蔓 つる性低木 キンポウゲ科    

    花期 月  果期 1011

 つる植物は山の仕事に携わっている人から見れば厄介者。美しい花を咲かせる藤にしても、植林した樹木に絡みつき、葉で覆い尽くして成長を妨げたり、幹に絡みついて変形させたりして商品価値を損ねるので、林業では「つる切り」は大事な仕事の一つです。

 ハンショウヅルも林縁で見られるつる植物ですが、他の植物に巻き付いて痛めつけるほどには太くならず、巻き付き方もつる本体を巻き付けるのではなく、細く長い葉柄を絡みつかせながら成長する華奢な印象のつる植物です。

 花柄も長く、先端に長さ3cmほどの花を一輪下向きに付けます。ハンショウヅルの名前の由来はこの花の形が半鐘に似ていることによるものです。半鐘はお寺で見る釣鐘を小さくしたようなもので、昔は主に火の見やぐらの上部に吊るして火事が起きたことを住民に知らせるためのものでしたが、現代では防災無線やサイレンなどに取って代わられ目にする機会はほとんどなくなりました。この慎ましやかに並んで見える花を鐘に例えるなら、ジャンジャン打ち鳴らす半鐘よりも、澄み切った美しい音色のハンドベルが似合うように思います。

 暗紅紫色の花には花弁がなく、花弁のように見えるのは萼で4枚から成っています。開花時には花の先端から三分の一ほどがまくれ上がるように開くだけで、同じように4枚の萼で構成される花を持つ同科のセンニンソウやボタンヅルのようには平開しません。花の後にできる実はセンニンソウやボタンヅルとそっくりで、寄り集まった一つひとつの果実には長い雌しべの花柱が残っていて、花柱表面にはたくさんの毛が羽毛のように生えていて風で飛ばされていきます。

 学名にClematis japonicaとあるように日本原産のクレマチスです。つる性植物の女王と呼ばれる園芸種のクレマチスの多くが大型の花で見ごたえがあるのに比べるとハンショウヅルはちょっと地味な印象があるのは否めません。別の日本原産のクレマチスで大きな花を持つカザグルマは絶滅危惧種で未だ出会ったことはありませんが、たくさんの花をつけたハンショウヅルに出会ったときには、爽やかな音色のハンドベルの演奏を思い浮かべながら鑑賞するのもよいかもしれませんね。







今月の樹木 2025年5月

 菅さん提供


キリ(桐 落葉高木 キリ科)               

                               月花期(花期45月 果期810月)                                               

 キリとつく樹木名を挙げてみると、アオギリ、イイギリ、ハリギリ、アブラギリといくつもありますが、単にキリと言えばキリ科のキリのことを指します。因みにアオギリ以下順にアオイ科、ヤナギ科、ウコギ科、トウダイグサ科とそれぞれ科は異なりますがどれも大きな葉を持つ点が共通していて、キリの葉に関して言えば2530cmもあるような大きなものです。 

 キリを実際に目にしたことのない人でもキリの葉と花を図案化した桐紋は、普段の生活の中で目にする機会は幾度もあるように思います。身近なところでは500円硬貨の表面に葉が三枚で花が中央に七つ、その左右に五つ配したいわゆる五七の桐が刻印されています。この紋は元は天皇家の家紋だったものが功績のあった臣下に与えられて広まったとされ、足利氏や豊臣氏など多くの戦国武将が使ったことでも知られています。 

 明治新政府も五七の桐紋を取り入れたことは新政府の発行した硬貨にも現れていますが、各時代の権力者の威を借りるために使ったことは想像に難くありません。その流れを受けてのことか、現政府も五七の桐を紋章と定めています。なお、中央に五つ、左右に三つの花のものは五三の桐といい、五七の桐より格下とされているため一般の着物の留袖にはこの紋が多く使われているそうです。 

 キリの材は木目が美しく軽くて加工がしやすいため、かつては下駄や重箱、硯箱など生活に密着した道具が作られていました。防湿性にも優れているので箪笥には最適の素材で、桐箪笥と言えば今でも高級家具の代名詞になっています。 

 キリは成長が早く、昔は女の子が生まれるとキリを植えて嫁ぐときに箪笥にして嫁入り道具にしたと言う話が伝えられていますが、この木の成長の早さを物語っています。 

 生活に密着した樹木だったことがうかがい知れますが、以外にも古くに中国大陸から渡ってきたものだそうです。古の人々は大陸の進んだ文化を採り入れる中で伝わったとされるキリを特別視し、それが天皇家の家紋へと繋がったのかもしれません。当時は紫は高貴な色とされ、紫の花をつけるキリも尊ばれたことは容易に想像されます。そのような目で改めてこの花を見てみると味わい深いものになるのではないかと思います。











今月の樹木 2025年4月 

 菅さん提供


ミヤコツツジ(都躑躅 半落葉低木 ツツジ科)                                        花期

                                  花期45月 果期810月                 

 4月の半ばも過ぎて5月が間もないころ、春の花を求めて里山を歩き回っていた時のこと。木々の間からピンクの花が咲いているのが目に入りました。4月早々から咲き始めるコバノミツバツツジの花色より淡く、ヤマツツジの鮮烈な赤色とも異なります。また、薄紫色のモチツツジとも違うようです。帰宅後に調べてみたところミヤコツツジということが分かりました。

 ミヤコツツジはヤマツツジとモチツツジの自然交配種で、その特徴は両者の特徴を併せ持っていると言われ、花の同定をするときの判断材料になります。花の色はコバノミツバツツジと比較的似ていますが、コバノミツバツツジがその名の通り3枚の葉が輪生するのに対し、ミヤコツツジではコバノミツバツツジのような規則性が見られません。

 萼の長さがヤマツツジとモチツツジの中間的な長さで、これも一つの特徴ですが、萼の長さを観察したことのない人には判断が付きかねるところです。そこで役立つのが萼に触れたときの感触です。モチツツジの葉や花柄には腺毛が密生しており、そこから分泌される粘液でねばねばしています。腺毛は萼にもあり、鳥もちのようにくっつくことから、モチツツジの名になったと言われていますが、ミヤコツツジの萼は毛に覆われていてもほとんど粘り気はありません。    

 ペットの犬では雑種はあまり好感が持たれないという話を耳にします。ミヤコツツジも雑種ですが園芸種を思わせる花の色は美しく、実際にも園芸店で取引されているようです。都を冠した草花のミヤコワスレ、ミヤコグサなどはどことなく雅な響きが感じられます。ミヤコツツジはヤマツツジとモチツツジが混在する所でしか見られません。春の山歩きでミヤコツツジに出会ったなら、きっと優雅な気分に浸れると思いますよ。







今月の樹木 2025年3月 

 菅さん提供


キブシ(木五倍子 落葉低木 キブシ科)

                                                                    花期:34月 果期:1012

 木々の冬芽を覆って寒さや乾燥から守るという鱗状の芽鱗を脱ぎ落し、緑の若葉が顔をのぞかせる早春の山道を歩いていると、キブシの花に出会うことがあります。キブシは細い幹が何本も出て株立ち状になるのが特徴的な落葉低木で樹高は34m。幹からは何本もの細い枝が出て、その枝先いっぱいに黄色い花が暖簾を吊り下げたような状態で咲くのでよく目に留まります。花の大きさは67mmほどの長さで、開いても4枚ある花弁は重なり合ったままで、満開状態でも丸っこいのでブドウの房のような花とも玉すだれのような花とも形容されます。別名の黄藤も藤の花のような花序の形から来たと言われればそのようにも見えます。花の少ない時期ということもありますが、枝という枝にいっぱいの花を付けているさまを見るとまさに壮観。

 雌雄異株で雌株の花はやや緑色を帯びていて、房の長さも雄株のものより短めです。ごくまれに赤味がかった花を付けている株に出会うこともあります。

 花の後には直径10mmほどの球形の果実ができます。花がブドウの房のようだったことから果実もブドウの房に見えますが、残念ながらタンニンが多く渋くて食べられません。花はおひたし、天ぷらにして食べることができるそうで、その味はほろ苦く春の味わいだそうです。

 キブシは漢字では木五倍子。五倍子(フシ)はウルシ科のヌルデにできる虫こぶのことで、乾燥させて粉にしたものを鉄分と反応させると黒い染料になり、昔の人はこれを歯に塗って「お歯黒」としたそうですが、キブシの名の由来は、ヌルデの五倍子の代わりに果実を利用したためと言われています。 

 お歯黒の黒い色はタンニンが関わっていますが、キブシがヌルデの代わりになると気づいた人は、黒い小さなアブラムシがウジャウジャ詰まったヌルデの虫こぶをかじってみてひらめいたのでは?それはさておいても、昔の人の創造力には感心させられますね。 

 春になると桜の開花の話題で持ちきりになりますが、山に入ればキブシをはじめコバノミツバツツジ、タムシバ、アセビなど早春の花との出会いを楽しむことができます。


キブシの黄花が玉すだれのように咲いています。

赤花のキブシです。

キブシの実です。




今月の樹木 2025年2月

 菅さん提供


クヌギ橡・櫟・椚 落葉高木 ブナ科)                                 

                                             花期45月 果期910月                                        

 里山を代表する樹木と言えばクヌギを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。都会育ちの人でも遠足やハイキングなどで山に入り、ドングリをもてあそんだ人も多いように思います。

 日本の森林面積は国土の70%近くを占めると言われ、電気やガスが普及する以前は薪や炭をはじめとして様々な恩恵を山から受けていました。「森は海の恋人」とも言われるように、森の落ち葉から産生される養分は日本周辺の豊かな海を育て、様々な産物をもたらしてくれてもいます。

 縄文時代にはドングリを食用としていたことが伺える遺跡が見つかっていて、美しい緑色の光沢の糸が取れる野生の蚕のヤママユガはクヌギなどのブナ科が食草です。

 炭が生産されるようになると萌芽力の旺盛なクヌギが重宝され、里山を代表する樹木になりました。その中でも兵庫県川西市北部の黒川地区の里山は日本一の里山と言われています。

 この一帯で生産されるクヌギから作られた菊炭は断面が菊の花のように美しいことで高い評価を得ているという古書籍の記録に残る歴史性。菊炭が茶道で重用されてきた文化性。伐採時期が異なるエリアが織りなすパッチワーク状の景観性。人の背丈ほどの所で幹を伐って、先端から生じる萌芽枝を約8年ほどで伐採して炭にし、それを繰り返すうちに元の幹の部分が肥大した台場クヌギと呼ばれる樹形の特異性。クヌギの樹液に集まるカブトムシ、クワガタムシ、スズメバチ、オオムラサキなどたくさんの生き物の拠り所となる生態系の一部としての生物多様性などが日本一の里山と言われるゆえんですが、かつての里山の多くが現在は里山放置林となっている中で、黒川地区では今なお茶道文化を支える菊炭が生産されていることが里山の命脈を保っていることにつながっています。多くのボランティアの人が里山保全の活動を行っていることも特筆すべきことです。なお、黒川の奥瀧谷にある台場クヌギ林は、林業発展の歴史を示す景観が今に残る地として2014年に日本森林学会の林業遺産に登録されました。

 菌床栽培の椎茸では味わえない豊かなうまみと香りが特徴的な原木栽培椎茸にはクヌギが多く使われます。

 里山の森林は山崩れや洪水の防止、水源涵養、生物多様保全など重要な役割を担っています。炭を使ってのバーベキューを楽しむ機会があるときには、高級な菊炭に手が届かなくとも、原木椎茸を噛みしめながら里山の存在意義に思いをいたしてみてはいかがでしょう。

参考(ヤママユガの一生の動画)ヤママユガの一生 | NHK for School

台場クヌギ林


菊炭






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