菅さん提供
クロバイ(黒灰 常緑高木 ハイノキ科)
花期4~5月 果期10~11月
クロバイは静岡県より以西の比較的温暖な山地に自生するハイノキの仲間です。とは言ってもハイノキを目にしたことはなく、クロバイも山歩きを始めたころは見たことはありませんでした。
ハイノキ科で代表的な樹木といえば、北海道から九州まで広く分布する 美しい青い実をつけるサワフタギがありますが、地域的な偏りがあると思われ、こちらも自然の中では未だ出会えていません。一番なじみのあるハイノキ科といえば藍黒色の実をつけるタンナサワフタギになります。
クロバイを目にしたのは山登りの途中で、遠くの山の一角に樹冠全体を覆い隠すように白い花をいっぱいにつけた樹木が見えたのが最初でした。そのときは遠すぎて何の花は分からず、日を改めて見に行ったところ、目の前にこれまで目にしたこともない黒褐色の樹皮の樹木が現れました。図鑑で見た白っぽい皮目も多数あり、一目でクロバイと判断できました。 珍しい樹木に出会えたと内心喜んでいましたが、何のことはない、後年近場の自然公園の中に何本もあることが分かり、半分がっかり、半分うれしく思ったものでした。
クロバイ(黒灰)の名は、この黒みを帯びた樹皮によるもので、灰については、枝葉を焼いた灰から採った灰汁を染め物をする際に染色を定着させる媒染剤に用いたことに由来するようです。
花は直径が8㎜ほどで多数の長い雄しべが飛び出すように咲く特徴はサワフタギやタンナサワフタギと同様ですが、サワフタギやタンナサワフタギが小さな花を円錐状につけるのとは異なり、クロバイでは20~30輪が一つの花軸にウワミズザクラを思わせるような形につきます。
クロバイは花や実を多くつけた翌年は開花を休む隔年性の性質があるようです。藍黒色の実を写真に収めたいと思いながらも、未だに結実した年にめぐり合わせておりません。


















