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2025年5月28日水曜日

今月の樹木 2025年5月

 菅さん提供


キリ(桐 落葉高木 キリ科)               

                               月花期(花期45月 果期810月)                                               

 キリとつく樹木名を挙げてみると、アオギリ、イイギリ、ハリギリ、アブラギリといくつもありますが、単にキリと言えばキリ科のキリのことを指します。因みにアオギリ以下順にアオイ科、ヤナギ科、ウコギ科、トウダイグサ科とそれぞれ科は異なりますがどれも大きな葉を持つ点が共通していて、キリの葉に関して言えば2530cmもあるような大きなものです。 

 キリを実際に目にしたことのない人でもキリの葉と花を図案化した桐紋は、普段の生活の中で目にする機会は幾度もあるように思います。身近なところでは500円硬貨の表面に葉が三枚で花が中央に七つ、その左右に五つ配したいわゆる五七の桐が刻印されています。この紋は元は天皇家の家紋だったものが功績のあった臣下に与えられて広まったとされ、足利氏や豊臣氏など多くの戦国武将が使ったことでも知られています。 

 明治新政府も五七の桐紋を取り入れたことは新政府の発行した硬貨にも現れていますが、各時代の権力者の威を借りるために使ったことは想像に難くありません。その流れを受けてのことか、現政府も五七の桐を紋章と定めています。なお、中央に五つ、左右に三つの花のものは五三の桐といい、五七の桐より格下とされているため一般の着物の留袖にはこの紋が多く使われているそうです。 

 キリの材は木目が美しく軽くて加工がしやすいため、かつては下駄や重箱、硯箱など生活に密着した道具が作られていました。防湿性にも優れているので箪笥には最適の素材で、桐箪笥と言えば今でも高級家具の代名詞になっています。 

 キリは成長が早く、昔は女の子が生まれるとキリを植えて嫁ぐときに箪笥にして嫁入り道具にしたと言う話が伝えられていますが、この木の成長の早さを物語っています。 

 生活に密着した樹木だったことがうかがい知れますが、以外にも古くに中国大陸から渡ってきたものだそうです。古の人々は大陸の進んだ文化を採り入れる中で伝わったとされるキリを特別視し、それが天皇家の家紋へと繋がったのかもしれません。当時は紫は高貴な色とされ、紫の花をつけるキリも尊ばれたことは容易に想像されます。そのような目で改めてこの花を見てみると味わい深いものになるのではないかと思います。











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