菅さん提供
ミヤコツツジ(都躑躅 半落葉低木 ツツジ科) 花期
花期4~5月
果期8~10月
4月の半ばも過ぎて5月が間もないころ、春の花を求めて里山を歩き回っていた時のこと。木々の間からピンクの花が咲いているのが目に入りました。4月早々から咲き始めるコバノミツバツツジの花色より淡く、ヤマツツジの鮮烈な赤色とも異なります。また、薄紫色のモチツツジとも違うようです。帰宅後に調べてみたところミヤコツツジということが分かりました。
ミヤコツツジはヤマツツジとモチツツジの自然交配種で、その特徴は両者の特徴を併せ持っていると言われ、花の同定をするときの判断材料になります。花の色はコバノミツバツツジと比較的似ていますが、コバノミツバツツジがその名の通り3枚の葉が輪生するのに対し、ミヤコツツジではコバノミツバツツジのような規則性が見られません。
萼の長さがヤマツツジとモチツツジの中間的な長さで、これも一つの特徴ですが、萼の長さを観察したことのない人には判断が付きかねるところです。そこで役立つのが萼に触れたときの感触です。モチツツジの葉や花柄には腺毛が密生しており、そこから分泌される粘液でねばねばしています。腺毛は萼にもあり、鳥もちのようにくっつくことから、モチツツジの名になったと言われていますが、ミヤコツツジの萼は毛に覆われていてもほとんど粘り気はありません。
ペットの犬では雑種はあまり好感が持たれないという話を耳にします。ミヤコツツジも雑種ですが園芸種を思わせる花の色は美しく、実際にも園芸店で取引されているようです。都を冠した草花のミヤコワスレ、ミヤコグサなどはどことなく雅な響きが感じられます。ミヤコツツジはヤマツツジとモチツツジが混在する所でしか見られません。春の山歩きでミヤコツツジに出会ったなら、きっと優雅な気分に浸れると思いますよ。
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