菅さん提供
ツタウルシ(蔦漆 つる性木本 ウルシ科)
花期花期5~6月 果期10月~11月
一抱えはあろうかというアカマツの大木に這い上がり、腕の太さほどもある枝を三方に張り出し、真っ赤な葉をつけたツル植物を見たのがツタウルシとの初めての出会いでした。
この頃は樹木に興味を持ち始めた時期で、鮮やかな葉をつけるこのつる植物が何であるか判断がつかず、落ちていた葉を一枚拾い同行の人に問うてツタウルシと知りました。
今にして思えばよくもかぶれなかっものです。というのも、ツタウルシはウルシ科の中でも最強のかぶれ成分を含み、敏感肌の人は近くを通っただけでもかぶれると言われるほどの強毒の持ち主です。幸いにも鈍感肌であったことと、落葉期で活動が止まっていたことでかぶれずにすんだものと思います。
ヤマウルシやヤマハゼなどのウルシ科の樹木は他の樹木に先駆けて美しい紅葉を見せてくれます。ツタウルシも例外ではありませんが、例外と言えるのはツル性であることと葉の形状です。他のウルシ科では葉軸に複数の小葉が集まって一枚の大きな葉を形成し、先端にも1枚の小葉があることから奇数羽状複葉と言われる形ですが、ツタウルシは唯一、小葉が3枚1セットになった3出複葉であることが特徴です。
ツタウルシは北海道から九州の日本各地で見られ、中国大陸などでも見られるようです。北米にはアメリカツタウルシという種が広く分布していて、これが見られるところでは3枚の葉には触れるなという警告句が知られているそうです。
ツタウルシによく似たものにツタ(ナツヅタ)とイワガラミがありますが、すべての葉が3出複葉であればツタウルシと思って間違いありません。
近寄りがたい存在のツタウルシですが意外にも花言葉は「頭脳明晰」「賢明」だとか。秋の山歩きでツタウルシに出会ったときには紅葉を愛でながら花言葉の意味を考えてみるのもいいかもしれません。
ツタウルシの紅葉
ツタウルシの実
ツタウルシの花


























