菅さん提供
カゴノキ (鹿子の木 常緑高木 クスノキ科)
花期8~9月 果期7~8月
樹齢を重ねて直径が20cmほどになってくると樹皮のあちらこちらが小さく剥がれてきて、さらに樹齢が進むと幹全体に及びます。それぞれ剥がれる時期が異なるため、剥がれた後の色調がまだら模様になり、まるで迷彩服をまとったかのように見えます。カゴノキの名の由来は、まだら模様を鹿の背中に表れる白斑の鹿の子模様になぞらえ、その「鹿の子」が「カゴ」になったと言われています。
カゴノキも他のクスノキ科の例にもれず雌雄異株で花は小さく目立ちません。果実は同科のクスノキやクロモジの黒っぽい色に対して、同じく同科のカナクギノキやシロダモ同様に赤く熟しよく目立ちます。結実しても熟すのは翌年の夏から秋になります。
樹皮がまだら模様になる樹木には白い花が美しく庭木に利用されることもある落葉小高木のリョウブがありますが、カゴノキは花には観賞価値がなく大木になるためか庭木に利用されることはあまりなく、用途としては材が堅く緻密なことから、建築材や器具材に用いられるようです。
他のクスノキ科にも見られる特徴ですが、枝から果実につながる果柄が元の方よりも果実側が太くなっています。この形を見るといつも「けん玉」を連想します。用具の十字の形をした部分は主にブナが使われるとのことですが、これをカゴノキでこしらえたらけん玉遊びが上達しそうに思えませんか?


