菅さん提供
マタタビ(木天蓼 落葉つる性木本 マタタビ科)
花期6~7月 果期10月
マタタビと言えばに猫マタタビということわざがすぐ頭に浮かぶ人も多いと思います。山野に自生するマタタビを目にしたことがない人でも、愛猫家ならペットショップなどで売られているマタタビ入りのキャットフードやおもちゃを手にされたことがあるのではないでしょうか。
猫がマタタビに反応するのは含まれる成分が猫の脳の中枢神経を刺激することによるものだそうで、その成分は枝や葉、果実に含まれていて、中でも虫こぶ状になった虫癭果(ちゅうえいか)に多く含まれているそうです。
果実は本来は柿の実を細長くしたような形ですが、花が開く間際に中心部の子房にタマバエの一種が卵を産み付けるとそれ以降は正常に成長できずにでこぼこした虫こぶになります。こぶ状になるのはマタタビの防御反応によるものか中の虫が作り出す物質の影響によるものかは門外漢には判断しかねますが、これを乾燥させたものを生薬の木天寥(もくてんりょう)と呼んで冷え性や神経痛・リューマチなどに効能があるとされています。
生の果実はマタタビ酒に利用できます。冷え症・利尿・強心・神経痛・疲労回復に良いとされ、若干薬臭いですがその分効果が期待されます。こちらも正常果よりも虫癭果が効果が高いと言われています。
マタタビの名前の由来は、疲れた旅人がマタタビの果実を食べたら元気が出て「また旅」をした、ということから名づけられたと言われていますが、強心や疲労回復効果があるとなれば名前の由来にも納得ですね。キウイの仲間ですが生食するには青いうちは辛みがあるので秋に黄色くなったものが良いですが、同科のサルナシには美味しさでは及びません。
初夏に咲く花は梅の花に似ているためナツウメとも呼ばれます。この時期には白く変化した葉の方が何と言っても花よりも目立ちます。白化現象は訪花昆虫を呼び寄せるためという説がありますが、遠目でもよく目立ち、山に夏が来たことを知らせてくれます。
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