菅さん提供
ノイバラ (野茨 落葉低木 バラ科)
花期5~6月 果期9~10月
野バラと言えばノイバラを指すことが多いように思います。テリハノイバラやヤマイバラも野バラには違いありませんがノイバラほどには見かけません。差し渡し2㎝ほどの白い花が寄り集まって咲き、茨と言うだけあって全体に鋭い棘があります。この棘は近くに他の樹木があればこれを引っかけて持たれるようにして伸びていくのに使われます。
野バラで思い浮かべるのは、童は見たり野中の薔薇で始まる唱歌ですが歌詞の中に、清らに咲ける その色愛でつ 飽かずながむ 紅におうとあるようによく見かける日本の野バラと違い作詞者ゲーテの詩の中に咲く野バラは紅色だったようです。
歌に出てくる西洋の野バラに比べてノイバラは白一色で味わいがないかと言えばそのようなことはありません。白い花には白い花なりの美しさがあります。さらに言えば紅紫色で7~8㎝の大きな花をつける野バラが日本にあります。ハマナスがそれで耐寒性があり、海岸沿いに自生して北海道でもっとも多く見られ、日本海側では島根県以北、太平洋側では茨城県以北に分布するようです。
世界には園芸種のバラは3万種以上はあるとされています。原種となるとその数は 150~200種と言われていて、この原種から数々の園芸種が創出されてきた歴史があるわけですが、その中に日本のノイバラ、テリハノイバラ、ハマナスが一役買っていることはバラ好きの人はご承知のことと思います。プリンセスミチコという鮮やかなオレンジ色の新品種のバラが創出され、今の上皇后さまが皇太子妃だったときに献呈されたとニュースで聞いたのは高校生のころだったように記憶しています。このバラには強健なノイバラが台木としても使われているそうです。
子供のころは秋になると赤くなった実を遊び半分で食べたものでした。種の占める割合が多くて食べごたえはありませんが、大人になってからも赤い実が目に入ると摘まんで口に入れ、この味わいは果実酒にいけるのではないかと思い仕込んでみると、赤い実の色からは予想に反して淡い琥珀色となりました。バラの実は総じてローズヒップと言われ、お茶や薬用に使われます。緩下作用もあり便秘対策にも効果的なようです。ノイバラの実も同様な使い方ができるようですので、便秘で悩む方は一度試されてみるのも良いかもしれません。
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