菅さん提供
花期4 月 果期 6月
木苺は木に生る苺の総称でバラ科キイチゴ属に分類され、日本には数十種が見られるそうです。ちなみに草に見まがわれることもあるクサイチゴも木本でキイチゴ属になります。
ラズベリーの名で流通している欧米産の苺もキイチゴ属で人の手で改良されたものが多いようですが、日本原産のものは栽培されて市場に出回ることはないようです。
ナガバモミジイチゴはその名の通り長い葉をもった苺の仲間です。葉の形が紅葉(もみじ)を思わせることから紅葉苺というわけですが、イロハモミジなどの本当の紅葉の葉より長いことから長葉というわけではなく、ナガバモミジイチゴによく似たものにモミジイチゴというのがあり、それよりも葉が長いことが名の由来のようです。
ナガバモミジイチゴが見られる地域は本州の中部地方以西で、モミジイチゴが見られるのはそれより以北の東日本とのことです。木とは言っても太くはならず、地際から細い枝が伸びて2m程になりしなだれます。
ちょっと見では見分けしずらい他のキイチゴ属のニガイチゴやクマ イチゴとは葉の形や大きさで区別は容易ですが、果実が熟してくれば違いは明らかです。
草本のヘビイチゴなどを含めて日本原産の苺のほとんどは赤く熟しますが、ナガバモミジイチゴやモミジイチゴは別名黄苺ともいわれるように果実の色は鮮やかな黄色に熟します。この黄色い果実は野生の苺類の中でも美味しい部類になりますが、口に入れると種のツブツブ感があって、そう言うところに栽培種とは違う野性味が感じられます。
花は梅雨のころに直径約3cmの白い5弁花を下向きに咲かせ、秋にはその名の通りの紅葉した姿を見ることがあります。
ナガバモミジイチゴの花
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